ノスタルジア
「誰もキキにああいう風になってほしいなんて言ってないよ」
「でも、私女の子なのにお化粧もできない」
「化粧なんてしなくていいよ、必要ないだろ」
「だ、だけど……こんな私を連れて、澪は恥ずかしくない?」
消え入りそうな声で、私は呟く。
彼は少し眉間にしわを寄せながら、はぁと小さく息を吐いた。
呆れられてる?
不安は積もるだけで、消えてくれない。
「ねぇ、キキ」
「……はい」
お説教モードに、私は俯く。