ノスタルジア
「おー、キキ~。一週間ぶり!」
「知景! やっぱり知景が来た!」
「おぉ、来たぞ俺が」
澪が玄関に向かってから数秒後。
リビングの扉を開けて入ってきたのは、大きな段ボールを片手に抱えた背の高い男の人。
オレンジ色の頭にタオルを巻いて、青いツナギの作業着に身を包んだ彼は人懐っこい笑みを浮かべて私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
そんな彼に続いて後ろから入ってきた澪が、なんだか少し不機嫌そうに「どけ」と彼を足ではらう。
「相変わらず独占欲の強い飼い主だな、澪は」
「うるせぇ」
なんだかんだ仲のよさそうな二人。