ノスタルジア





なかなかその場から動こうとしない彼女に、俺は歩きだす。




「そんな所にいて、車でも来たら危ないって」





そう言ったのと同時に後ろから聞こえた、大きなエンジン音。




少し離れた所から、大型のトラックがこちらへ向かって走っていた。





俺は掴んだ彼女腕を引っ張って、道の縁へと移動させる。






「ボーッとしすぎ」




「あ、ごめん」





エンジン音とともに、だんだん近づくトラック。




一方通行の狭い道を、すれすれで走る。





ちょっと危ないか……なんて、彼女を引っ張ったまま近くの小道へと避けた。




< 231 / 482 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop