ノスタルジア
なんであの時アヤノが、危険だと分かっていてキキを守ろうとしたのか。
どうして分からない?
あんたが……母親のあんたがキキを可愛がっていたから。
いくらほっとかれたって、自分を娘だって思っていなくたって。
アヤノにとって、あんたは母親だから。
悔しいけど、辛いけど……母親のあんたが愛しいから。
アヤノは
キキがいなくなったら母親のあんたが哀しむと思ったから。
なのに……なのに……。
「あんたが最初に言うべきことは……アヤノのことじゃねぇのかよ……」
いろんな感情が混じる中、口からやっと出た悲痛な叫びだった。