ノスタルジア








なんであの時アヤノが、危険だと分かっていてキキを守ろうとしたのか。






どうして分からない?








あんたが……母親のあんたがキキを可愛がっていたから。






いくらほっとかれたって、自分を娘だって思っていなくたって。






アヤノにとって、あんたは母親だから。






悔しいけど、辛いけど……母親のあんたが愛しいから。













アヤノは



キキがいなくなったら母親のあんたが哀しむと思ったから。











なのに……なのに……。













「あんたが最初に言うべきことは……アヤノのことじゃねぇのかよ……」









いろんな感情が混じる中、口からやっと出た悲痛な叫びだった。







< 243 / 482 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop