ノスタルジア
「そんな顔しないでよ。ちゃんと仕事中だったのに来たでしょう、あたし」
「………アヤノが無事かは、聞かないんですか」
「澪くんに聞いたって仕方がないじゃない。例えここであたしが喚こうが、黙っていようが、何かが変わるわけじゃあるまいし」
「…………」
「死ぬときは死ぬし、生きるときは生きるのよ。それをどう受け取ろうが、あたしの勝手。違う?」
悔しいとも、哀しいとも言えない不思議な感情が胸の中を這いずり廻る。
これ以上、彼女に何か訴えるだけ無駄だと思った。