ノスタルジア
『澪くん、今病院?』
「いえ……家ですけど」
さすがにこんな時間まで病院にいることもできず。
とりあえず、相変わらず意識はないがアヤノの様態も落ち着いたということで、今日は彼女に会うことなく家に帰ってきていた。
『……他に言うことはある? そろそろ仕事戻らなきゃ』
話をしたのはたった数分。
仕事、仕事とそんなに彼女にとってその仕事は大切なものなのだろうか。
決してお金には苦労しないはずのその仕事に……。
彼女はなぜそこまで執着するのか。