ノスタルジア





近いうちにキキを預けたご近所さんに病院を聞いて、様子を見なければと思っていたのに。




……世間はそれを非情だと思うのかもしれないが。





1匹の猫と1人の人間。





俺の優先順位は、秤にかける間もなく決まっていた。






君と同じように怪我をしたキキを放って、君のそばにいる俺を。






きっと君は怒るのだろうね。






それでも、少しでも長く君のそばにいたいと願う俺を。






どうか哀しまないでほしい。







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