ノスタルジア
キキ……本当はね。
キミがアヤノにあんな顔をさせたことを、俺はまだ許せないんだ。
キミは猫だから。
こんなことを言ったって、仕方がないのだけれど。
それでも、もしキミが居なかったら……と考えてしまう俺がいる。
無意味だと、自分で自分を言い聞かせようとしても何も変わらないんだ。
キミが居なかったら
アヤノはあんな哀しい笑顔をすることはなかった?
キミが居なかったら
アヤノはトラックにはねられることもなかった?
キミが居なかったら……
きっと誰も哀しまなかったのに。