ノスタルジア
「ふざけんなよ、知景」
「……ふざけてねーよ」
さっきまで、仲良く二人でおかゆを作ってたキッチンに。
黒い空気が漂う。
"澪、違うんだよ。知景は私をかばってくれてるんだよ"
その言葉が出てこない。
「それくらいって思ってても、万が一があったら……分かってんだろ? 俺はキキをそんな目には合わせたくない」
少し切なそうに、澪は知景に問う。
掴まれた知景の胸ぐらに、ぎゅっと力が入っている。