ノスタルジア






「起きてたの……?」




「いや……キキの声で起きた」




「そっか……ごめんね。でも良かった」




「良かったって?」






澪の綺麗な黒い瞳が私を覗く。



開いたTシャツの胸元から見える鎖骨に、ドキリとした。






「分からないけど……」




「分からない?」




「……不安で、恐い」




「怖い夢でも見たんじゃない」




「そういうのじゃないんだもん……」






ぷくりと頬を膨らませる私に、澪は少しだけ笑った。






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