ノスタルジア






澪に触れられた耳は、まだじんじんと熱を帯びていて。





涙も何もかもが熱い。







「キキを傷つけたいわけじゃないんだ」





そう言った彼は、やっぱり何か想っていて。




ギシッとベッドの音をたてて、私の上から退けようとした彼の服を私は掴む。








ワガママでごめんね、澪。




私、何も分からなくてごめんね。










あのね、澪……。


















「嫌いに……ならないで」









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