ノスタルジア
「澪、見て! 全部食べた」
「……お利口さん」
「にへへへ」
ぎくしゃくしていた澪との関係が、いつの間にか元通りになっていたある昼下がり。
お昼ご飯のスパゲッティを残さず平らげた私は、綺麗になった皿を寝起きの澪に見せつけた。
彼はまるで子供をあやすように、くすりと笑っていた。
これでいい。
こんな毎日でいい。
何も壊れずに、このまま。
他愛もない日を澪と過ごすことが、私にとっての幸せなのだ。
最近、よくそう感じるようになっていた。