ノスタルジア
澪が知景の前で土鍋を割ったあの日から、1週間。
いつもどおりだったら、今日のこの時間に彼はまた来るはずだったのに。
鳴らないインターホン。
食料の減った冷蔵庫。
きっと今日……知景は来ない。
パタンと冷蔵庫が閉まって、さらに静かになったリビング。
知景の持ってくる食料がない限り、私たちがいつもどおりご飯を食べることは難しい。
澪もその重大さを分かっているからなのか。
はたまた、マイペースにまた違うことを考えているのか。
何も言わずにリビングのソファーへと腰かけた。