たいにーがーる*
「きゅうちゃんは本当すぐ怒るなあ。」
ぼそっと呟いたのが本人の耳に届いてしまったのか。
「ミジンコ凛子!」
それだけ吐き捨て走り去っていくきゅうちゃん。
えっ…
「きゅうちゃーん!私の求人誌ー!?」
というかミジンコ凛子って…
きっときゅうちゃんなりの最大限の嫌味なんだろう。
可愛らしいやつだ。
嵐のように去って行った幼馴染に呆気をとられて、立ち尽くす。
そこで鳴り響く悪夢のような知らせにはっとした。
「学校遅刻する…!」
微かに聞こえるチャイムの音をスタートに、私もかけ出した。