不機嫌honey
その日、学校が終わってユウリと帰宅したら、澪王の姿はなくて。



テーブルの上にふたつの箱。



『ユウリ』『シュリ』と、メモ用紙に名前が書いてあった。



「何だろ…」



ふたりでその小さな箱を開けた。



うわっ…。



あたしの方にはシルバーのシンプルなリング。



ユウリの方にはこれまたシンプルなブレスレット。



「なんで…?」



訳も分からず着けてみたら、小指にしか着けられないほど小さくて。



ユウリのは長さが調節できる。



「誕生日とかじゃないよね?」

「うん、僕ら秋生まれ…」

「まぁ、澪王が帰ってきたら聞いてみようか」



ふたりでご飯を作って、釣りに行ったらしい澪王を待った。



しばらくして帰ってきた澪王。



「大漁大漁~」



そう言いながら小さな魚2匹。



その左手。



あたしと同じリング、ユウリと同じブレスレット。



それはきっと、『家族』と『恋人』の証しなんだと、ユウリと納得した。



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