不機嫌honey
だけど真王さんは仕事で家にいないし、家は遠いと。



真王さんの奥さんもよく出張について行くらしくて…。



あたしとユウリは、真王さんの息子の家にお世話になることに決まった。



彼の名前は一ノ宮 澪王。



第一印象、ステキな声。



顔は怖いけど、ワイルド系でカッコイイんだと思う。



どうやら、ミュージシャン。



ココに来た次の日、ライブ映像を見せてもらった。



正直、超カッコイイ。



歌う声も、マイクを持つ手も、横顔も。



一瞬であたしとユウリは彼の虜。



「澪王、洗濯物たたんだ」

「澪王さんだ」

「イヤ」

「お前、カワイイ声してキツいよな。少しは愛想良く笑え」

「笑い方忘れた」



ユウリは澪王を尊敬し始め、得意の料理で気に入られた。



ユウリばっかり可愛がって、あたしはカワイくないって。



そりゃあ…愛想なんかないけど…。



「褒めてよ」

「はいはい、キレイにたためました~」

「澪王、嫌いっ!!」



心がこもってない!!



< 13 / 465 >

この作品をシェア

pagetop