不機嫌honey
あたしはユウリ程器用じゃないもん…。



でもがんばってるのに…。



「澪王、今日お仕事ないの?お家にいる?」

「今日は夕方から。帰りは何時になっかわかんね」

「ふ~ん」



学校が休みの日、珍しく家にいた澪王。



一緒にご飯食べられないのか…。



「澪王さん、僕バイトしようかと思って」

「する必要ねぇだろ。シュリがひとりになんぞ」

「でも自分の小遣いくらいは…」

「どんなバイトだ?」

「ゲイバーの店員」

「絶対ダメ!!お前が食われる!!」

「時給いいんだけどな」

「お前ズレすぎ…。とにかくバイトはしなくていい。俺を兄貴だと思って、お前らは甘えてりゃあいいんだよ」



包容力っていうのかな?



澪王にはそういうのがある。



ここは安全で安心の場所。



だからあたしの声が出たんだと思う。



「そうだ、お前ら服買うぞ。あまりにも少なすぎる。仕事まで時間あるし、出かけるか」



こうして、澪王と初めて出かけることになった。



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