不機嫌honey
いつもその辺の安いお店で服を買ってたあたし達。



敷居の高いお店に連れてこられた。



「いらっしゃいませ、一ノ宮様」

「コイツらに合う服、夏服と秋服、買いまくりに来た」

「かしこまりました。おふたりをお借りしますので、こちらに座ってお待ちいただけますか」



服って、選んでもらうのか…。



きっとコレってお金持ちの買い方だよ…。



「お客様はなにを着せても絵になりますね」

「こんなの着たことない…」

「なんだか楽しくなってきました」



店員さんがニコニコしながらあたしを何度も着せ変えた。



ワンピース、パンツ、ジャケット、ヒールの高い靴やサンダル。



キラキラの世界に包まれ、目眩がしそう…。



ユウリもこんなことになってるのかな…。



「お待たせいたしました」

「全部家に送っといて」

「はい、本日中に」



あたし達には想像もできない金額をカードで支払った澪王は、満足そうだった。



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