不機嫌honey
アンナさんは真王さんの3歳下で、お父さんの5歳下。



お兄ちゃんみたいな存在だったらしい。



出会いは真王さんが高校1年生でアンナさんが中1の時だとか。



「一目惚れしちゃって」

「真王さんに?」

「真王が私に」

「あははっ!!」

「付き合ったのは13歳ね。澪王がお腹に入ったのが15歳。最悪だったわよ」



真王さんは大会社の御曹司だし、アンナさんは母ひとり子ひとりの母子家庭で。



反対されたくないからと、8ヶ月まで妊娠のことを周りに黙ってたんだって。



大学を出て、会社を継ぐことを条件に結婚できたみたいだけど。



「その頃もいろいろ相談に乗ってくれたのがあなたたちのお父さん」

「知らなかった…」

「澪王が生まれてから海外に転勤で、知らぬ間にあなたたちが生まれてて。私たちが日本に戻った頃にはひとりで育ててたわ」

「じゃあ小さい頃にアンナさんとあたしたちは会ったことあるの?」

「1度だけね。借金のこととか、知られたくなかったんでしょうね。私たちも忙しかったし」



それで自然と連絡を取らなくなったんだとか。



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