不機嫌honey
気がついたら、澪王が背を向けてタバコを吸っていた。



「澪王…」

「触んな…」

「ごめん…なさ…」

「最低。マジ、俺最低…」

「えっ…」

「ごめん。やっていいことと悪いことの区別がつかなくなってた」

「あたしっ…」

「もうしねぇから…。お前のこと大事にするって言ったのに…ごめんな?」



そう言って悲しい目をした。



澪王が泣きそう。



澪王が…辛いのは絶対ヤダ…。



「レイさんとはなにもないよ…」

「ん」

「あたしが疲れすぎてて倒れちゃって…ただ介抱してくれただけで…」

「ごめん、マジでごめん…」

「痛かったっ!!澪王なんて大っ嫌い!!」

「ん、ごめん…」



いくらひどいことされたって、あたしは澪王から離れたくない。



本当の澪王をちゃんと知ってる。



あたし、澪王から離れたくない…。



「うぁぁぁぁぁん!!」

「ごめん、ごめん…」

「帰らないでっ!!澪王がそばにいないのイヤだっ!!謝るな!!もうなにもかもヤダぁ~…」



わけがわからないくらい泣いて、自分でもなにを言ってるのかわからないほど泣き叫んだ。



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