不機嫌honey
とにかく抱きしめて離したくない。



風呂の中でも、ソファーの上でも。



シュリもくっついて離れないし。



「どうした?」

「もうすぐお家できるって。早く澪王と毎日寝たい…」

「そうだな」

「ここはどうするの?」

「ここはこのまま。一応俺ら専用スタジオあるし。管理は事務所に任せることにした」

「よかったぁ~。ここがなくなるのは寂しい」

「ん、そろそろ寝る?」

「寝る~!!」



ベッドに入ってまた抱きしめる。



チビ…。



よくモデルなんてやってるよな…。



「いつか堂々と澪王の彼女だって公表してね?」

「あぁ」

「恥ずかしくない?」

「お前は俺の自慢だよ」

「へへっ…。もっと頑張る」



頑張らなくていいから。



変なヤツばっか寄ってくる。



誰にも見せないで宝箱に閉まっときたいぐらい。



スヤスヤ寝てしまったシュリの隣で睡魔に負ける俺。



こんな俺でもよそ見しないで、俺だけ見ててほしいと、夢に落ちる寸前に思った。



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