不機嫌honey
撃退方法
【澪王】



小顔で華奢。



長いサラサラの髪。



そのカラダのどっから出てるんだと思う声量。



「いいな…」

「そうでしょ?この歌唱力でまだ16なのよ」

「ガキ…」

「あら?あなた、若い子好きじゃなかったかしら?」

「それはアイツ限定っスから…」

「じゃ、よろしく頼むわね」



そう言って社長が帰った。



残されたのは俺と駿太郎、そして今歌い終わった少女。



「どうでした…?」

「今の、自分ではどう?」

「緊張しちゃって何ヶ所か音外しちゃいました…」



それがわかってんならまぁいい。



コレは俺が休みと引き替えに受けた楽曲提供の仕事。



今日はこの仕事で終わりだし、早く帰ってリムとかってクソガキの顔を拝みたい。



「とりあえず…俺が音担当、歌詞は駿太郎が担当するから」

「私なんかにそんな贅沢なことしちゃっていいんでしょうか…」

「社長が決めたことだしな。まぁ、俺も今声聞いて納得してっから」

「うれしいですっ!!」



純粋そう…。



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