不機嫌honey
撮影は大がかりなものだった。



超有名なモデルにも会って、自分の小ささを実感する。



澪王くらい背が高いし…。



羨ましいな…。



あたしもそれくらい大きければ、もっと他に仕事ができたかもしれない…。



「何を落ち込んでいる?」

「レイさん…」

「お前らしくないな」

「背が高い方が様になるよね。身長はどうにもならないからさ…」

「お前はお前のよさがある。小さいことが、シュリの武器だ。弱気になるな。一流のデザイナーに認められてるんだから、胸を張れ」



初めてだった。



初めて、レイさんに元気をもらった。



今悪態つかれたら、さらに落ち込んでいたかもしれない。



「元気出た!!」

「パーティでは他にも有名なモデルがたくさん来る。その中で、お前は目立たないといけない。堂々としていればいい。俺は、お前を信じてる」



不覚にも嬉しいと感じた。



頑張らないといけない。



レイさんに恥をかかせないためにも。



< 338 / 465 >

この作品をシェア

pagetop