不機嫌honey
数人のメイクさんに見つめられ、静かにイスに座る。



「えっと、シュリちゃん?」

「うん」

「それはすっぴんだよね?」

「お化粧したことない」

「「カワイイ~!!」」



はい!?



なんかお姉さんたち、テンション上がってる…。



「顔小さすぎっ!!お肌ツルツル!!好きにしちゃっていい!?」

「服のサイズはSじゃ大きい?足は何センチ?」

「足とか、ムダ毛はどこ!?」



生えないもん。



薄いんだもん…。



口を開く間もなく、あたしはやりたい放題やられた。



1時間くらいイジられ、着せかえられて。



真っ白な羽根の生えた真っ黒なドレスと、真っ赤なリップ。



初めてつけたツケマツゲが重たい。



コンタクトもなんだか気持ち悪い…。



「別人みたい」

「「お人形!!」」

「…………」

「さぁ、レオさんに見せましょ~」



こんなのやりたくないもん…。



どうせ、周りからバカにされる。



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