不機嫌honey
そこには堂々と顔出ししてる女。



シュリに似てる。



「社長は連絡取ったんスよね?」

「えぇ」

「今更出てきて、引き取りたいとでも?」

「そうみたいよ。あの子たち次第だとは言ったけど」

「俺から話します。親父がどんな手続きしてるかわかんねぇし」

「そうね。この件についてはあなたに任せるわ。くれぐれも、あの子たちを悲しませないようにね」

「そうっスね…」



アイツらは十分苦しんできた。



母親の顔すら覚えてないと言っていたシュリとユウリはどんな答えを出すんだろうか…。



キレんだろうな、アイツ。



部屋に戻って、メンバーには双子のことだとだけ言っといた。



「はぁ…俺って歌うめぇな…」

「うまくなきゃ歌わせてねぇよ」

「よし、歌う!!」



歌って不安を振り払った。



母親んとこに戻ったりしねぇよな?



まずは親父に話さなきゃ…。



ひとりになって電話をしたら、親父は忙しかったらしくて。



「ふたりのしたいようにできるから。私は権力者だからね」



頼もしいよ、親父…。



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