不機嫌honey
とりあえず立ってればいいと言われ、そのまま立ってる。



澪王が考えたの?



趣味悪い。



オカルト的だよ。



「シュリ、ムスッとすんじゃねよ。ユウリは笑わなくていいから」

「つまんない」

「なら好きに動け。バシバシ撮ってもらうから」



好きに動けって…。



そんなこと言われたって、いろんな大人に見られてる。



「ねぇ、シュリ」

「ん?」

「僕は澪王さんが好きだよ。シュリのことも大事」

「うん?」

「いいかげんにしなよ?」

「ユウリ…?」

「逃げてていい時期はもう終わり。現実と向き合って、自分の人生を生きるんだ」



真っ直ぐあたしを見たユウリ。



いつもの優しいユウリじゃなく、お兄ちゃんとしての、厳しいユウリがいた。



「僕は男だから、自分の身は、自分で守るしかない。だから今、僕はここにいる」

「うん…」

「シュリには僕も澪王さんもいる。シュリはひとりじゃないんだよ。もうシュリのこと、誰にも何も言わせないから」



泣きそう…。



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