不機嫌honey
その日シュリが帰るのを待ち、リビングでうとうと…。



「ただいま…」

「おつかれ。大丈夫か?」

「ダメ~…。体力の限界」

「明日も仕事だよな?」

「そうだよ~…。澪王は飲んでたの?あたし、先に寝るけど…」



だいぶ疲れてるように見えるシュリと、早々にベッドに入った。



先伸ばしにしたってこの問題は片付かないと思う。



なので、母親の連絡先を見せた。



「どうする?会うか?」

「会う」

「ユウリは多分、会わねぇよ。それでも会うのか?」



コクコクと頷いたシュリは、もう寝てしまいそうで。



勝手にシュリのケータイに母親の番号を入れといた。



「後は自分で連絡取れよ?」

「わかった…」



会うのはいいけど、一緒に暮らすなんて言い出さないよな?



さすがにこのベッドにひとりは俺だって寂しいからな?



この時、初めて不安を感じた。



どんだけ惚れてんだっつーの。



眠り始めたシュリの頭を撫でながら、どこにも行かせたくないと、強く思った。


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