不機嫌honey
おいしいはずの料理が味気なくて、せっかく澪王が用意してくれたのに、申し訳ない。



「生まなきゃよかった?」

「そうね」

「わかった。二度と会うこともないから、さようなら」

「えぇ」

「あっ、あたしは純粋な日本人なの?それだけ聞きたかった」

「いいえ。私の母親がロシア人よ」



笑えるんだけど!!



澪王みたいに、どっかの血が入ってるんだとは思ってた。



アメリカとか、フランスかと、勝手に思ってたら、まさかロシア!!



「あははっ!!ユウリにも教えとく~」

「元気でね、シュリ」

「了解~。バイバ~イ」

「私も性格悪いけど、あなたも相当ね」

「母親から受け継いだんでしょ?最悪」



フッと笑った母親が部屋を出て行った。



呆気なかつた。



だけど、ものすごくスッキリしてる。



会ってよかった。



もう、母親に対して、変な期待を抱かなくていいんだ。



後は好きにすればいい。



あたしとユウリも、自分たちの人生を好きに生きるから。



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