不機嫌honey
そのあとに迎えに行ったリンリンは、風呂にも入ったらしく、寝る間際だった。



「悪いな、ユウリのわがままに付き合わせて」

「いえ、嬉しいですから。ユウリ先輩、どんどん有名になっちゃうし…」

「だからって、ユウリのわがままに付き合う必要はねぇよ。こんな時間に呼ばれたら誰だって迷惑だろ」

「あたし、ユウリ先輩に必要とされてることが安心材料なんです。だから断れない」

「親は?」

「ちゃんとユウリ先輩のとこにいくって言いました。先輩って、お母さんに気に入られてるから」



そう言って笑うリンリンは、少しだけ寂しそうに見えた。



リンリンは一般人で、ユウリはどんどん名前が知られて行ってる。



それで不安になる気持ちは、俺には理解できないからな…。



「セリちゃん!!」

「お疲れ様でした、ユウリ先輩。お風呂入ったんですか?」

「会いたかった…」

「ちょっ、先輩…?」



珍しくユウリが感情で動いてる気がした。



抱きつかれたリンリンは泣きそうな顔をしていたけど、それ以上に幸せそうに見えた。



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