不機嫌honey
片思い頑張れ
【澪王】



なんなんだ、アイツ…。



マジでクソガキ。



撮影後、帰りの車の中で突然のキス。



一瞬、頭がついて行かなくて。



『勝手にキスしたんで5万円請求します』



焦った俺のそんな返し。



『シュリちゃんの初チューだから、大事にしてね』



そんなふざけたシュリの返し。



何も言えず、ペチッとデコを叩いて終わった。



それからアイツは何もなかったかのような態度。



ただ、笑うようになった。



その笑顔はやっぱり見とれるくらいキレイだ。



「澪王さん、ご飯できた!!」

「おぅ~」

「何してるの?」

「楽譜書いてた」

「スゴいね。僕もピアノ弾いてみた~い」

「今度教えてやるよ」



最近は俺がシュリを避けていて、仕事に没頭。



こうしてユウリがメシの時間に呼びに来る。



曲なんかできるわけもなく。



頭ん中、シュリでいっぱい。



どうやら、俺の中でシュリはガキの女から、ただの女に昇格してしまったらしい。



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