不機嫌honey
そんな悲しい顔しないでよ。



「大好き、澪王」

「ん…」

「抱っこは?」

「おいで」



この腕。



あたしが求めてたのはこれ。



頭に乗る大きな手も、澪王の匂いも。



「全部大好き…」

「カワイイことばっか言うなよ…。マジで後悔…」

「そんなのどうだっていいの。今はあたしだけでしょ?」

「もちろん」

「いつもの澪王に戻って?いっぱい甘えたい…」

「お前って心広かったんだな…」

「は?どんな意味?あたし、めっちゃ寛大じゃん」

「はい、そうでしたね~。っいてぇよ!!急に殴んなよ!!」

「うるせぇ、クソが」

「悪かったよ…」



やっと澪王に戻ってくれた。



それからしばらく、抱きしめられながら話をした。



それは今回のことではなく、仕事の話しや、ラッシュのメンバーの話し。



「ユウリは最近仕事どうだ?シュリが見た感じ、疲れてねぇ?」

「頑張ってるよ。学校も休んでないし」

「そっか、よかった。シュリは最近なんかあった?」

「平和~」



澪王のことがいちばんの出来事だよ。


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