不機嫌honey
それは、泣いてるあたしと、優しい顔で涙をぬぐうユウリ。



このショット…最後のじゃん…。



後ろにはあたし達がバラの上で手を繋いで笑い合ってるヤツ。



恥ずかしい…。



「名前出てんでしょ?あたしだけど、それがなに?」

「なら会ったの?」

「は?」

「ラッシュに会ったのかって聞いてんの!!」



悔しそうな顔…。



相当澪王たちのファンらしいね。



一緒に住んでるもんね~。



ってのは内緒。



「教えてやんね」

「カッコヨかった…?」

「なんなの?散々イジメてたくせに、今更話しかけんなよ、ブス」

「はぁ!?ちょっと有名になったからって調子に乗ってんじゃねぇよ!!」



乗ってねぇよ。



お前が話しかけて来たくせに。



マジ、うっとうしい。



またイジメられると思った。



けど、それ以上なにもなくて。



ユウリは昔からモテモテ王子様だから、特に状況は変わらず。



あたしは久しぶりに学校に来たのにイジメられなかった。



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