不機嫌honey
妹の幸せを考えてるユウリには悪いけど、俺はシュリと進展することは今のところ考えてない。



シュリに対して責任なんて取れねぇよ。



「シュリとどうこうなるつもりはねぇから」

「ふぅん」

「何が言いてぇ?」

「シュリって僕には大事な妹なんだよね。あんまり傷つけたら、僕だって悲しくなるよ」



それが俺には脅しに聞こえて。



ユウリって怖いと、初めて感じた瞬間だった。



「恋愛っつーのは他人に言われてするもんじゃねぇだろ」

「だから?」

「だから…俺に期待すんじゃねぇ」

「でもさ、自分に正直に生きた方が楽しいよね」



グサッときた。



ユウリの言葉が正論で。



わかってるけど、散々はぐらかしてたことを見透かされた気分。



わかってる。



わかってるけど、認めたくないだけ。



いや、認めちゃいけないんだ。



認めたら今の生活が変わる。



認めてしまえば、俺はタガが外れてしまう。



惚れてない。



シュリなんか、好きじゃない。



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