キャンディ☆キス
イチゴな想い


「かぁずきぃ〜っ!
ちゃんと起きてんのぉ!?」



とりあえず窓からひと声かける。

それからスカートを腰の辺りまでまくり上げて、下に誰もいないことを確認したらすぐに隣へと飛び移る。


屋根と屋根の間をジャンプすることなんて、小学生の頃からやっているから慣れたものだ。



「ちょっと、一樹!
今日から補習始まるの分かってんでしょ!窓開けるからっ」



夏休み中の補習は、暑いしだるいし半端なく面倒くさい。

世話のかかる幼なじみもいるし。



ガラッ 「一樹っ!」



私は窓枠に足を掛け、すぐ下にある一樹のベッドに飛び下りた。

窓からベッドまではほんの50cmほどの高さしかないけど……



「グホッ!……っくそ亜希!腹の上に乗んなボケっ!」



乗られた本人にはかなり苦痛な衝撃だったらしい。



「すでに起きてたら踏まれることもなかったのにね、バカズキ」


「名前に足すなっ」



陽に透けた髪が、なんだかちょっとだけ可愛いかったりする。



「はいはい、
さっさと用意しなさいよ〜」


「くそ〜っ……」




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