キャンディ☆キス
恋ソーダ *一樹*
失敗した……(汗)
やっぱり亜希には、ちょっと刺激が強すぎたんだ。
亜希が出て行った後の部屋で、オレは一人ベッドに寝転がって天井を眺めていた。
幼なじみってことが邪魔して、今の距離を縮めるのはすごく難しい。
すでに近くにいる亜希が、それ以上に寄って来る方法なんてなかなか思いつかなくて。
「実は今日の味はレモンだったんだよね〜。どっちにしても拒否られたから関係ないんだけど。
てっきりイチゴが嫌なんだとか思ったのに……嫌なのはオレかよ!」
ハァ〜っ……
さっきの自分を思い出すとめちゃくちゃカッコ悪い。
焦って近付こうとしてたのが、きっと誰から見てもバレバレで。
「そりゃバカにされるよな」
亜希はたしかにオレを男だなんて意識してないのか、朝から平気で部屋に入ってくるし。
そりゃいきなり襲うとかそんなことはしないけど、少しはそういうこと考えろっていうか……
朝から短いスカートはいて、好きな女が部屋に入って来るんだぞ?
何もしないオレは上出来だろ。
いや……
嫌われるのがコワイからだと言われれば、否定はできないけど(汗)
やっぱりオレは
まだお子さまなのかなぁ。
亜希がどう思ってるのかとか、どうすれば喜ぶとか、そういうのがよく分かんないし。
こんなの買って、これでなんか変わるんじゃないかとか思っちゃってるんだもんな。
オレは昨日買ってきたばかりだった三角レモンの袋を机の引き出しに入れた。
レモン作戦は、失敗に終わったということだ。