キャンディ☆キス
一瞬ポカン…と口を開ける一樹。
「も、もしかして
それあげたからなのか?」
私の手にあるハートの包み紙を指差して頭を傾げる。
そんなわけないじゃん……どこまでバカズキなんだろう。
「違うってば。そんなんじゃなくて……これはこれで嬉しいんだけど」
何かを形としてもらわなくても
私だけ知らないイチゴ味のキスがあったとしても
「彼女になれないのかな……っていうか」
私はバカみたいな一樹が、すごく好きなんだって。
ずっと、そう言いたかったんだ。
「亜希……本気で言ってんの?」
私が黙って頷くと、一樹はそっと近付いて来て
そのまま私を、
ギュッと抱きしめた。
「オレも好き」
耳元に聞こえる一樹の声で、体中がどんどん熱くなって
ドキドキは、もう全然止まんないくらいに大きくなる。
「一樹……
こんなことされたら私壊れる」
私の全部は……すでに破裂寸前。
「じゃあ壊れないように、もっと強くする?」
「……」
恥ずかしくて、
顔も上げられないじゃん。