キャンディ☆キス
私は一樹の顔を思いっきり枕で殴りつけた。
もうっ!
ほんとに大バカなんだからっ!
「あぁっ、そうだ!
一樹、もしかして私って彼女5号になるの?」
「は? なんだそれ」
「だって一樹には他にも彼女いるじゃん」
「あぁ……そんなの他の彼女には三角イチゴでも渡して謝っとくよ」
一樹は立ち上がって、う~ん!と大きく背伸びをする。
「うわっ。あんたサイテーだね。っていうかやっぱり背伸びたよね」
私が見上げると、一樹はスッと姿勢をかがめて
「お前が小さいの」
再び軽くキスをした。そして、また熱くなる私……。
「赤くなってないで、お前にも責任あるんだからな。渡すための三角イチゴ買いにいくから付き合え」
そう言って、一樹がポンと軽く私の頭をたたく。
「なんで私がっ!
あっ、駄菓子のおばあちゃんとこは売り切れだからねっ」
「うそっ!」
「結果的に一樹が全部食べたの!」
「それどういうこと?」
青いの空に、甘い香りが広がった。
《END》