キャンディ☆キス
暑い日差しが照りつける。
校門を二人で抜けると、その陰から待ち伏せしていたらしき女子が一樹の前に現れた。
同じ学年で顔は見たことあるけど、名前は知らない子だ。
「一樹くん。
私と……付き合ってください!」
おぉ!いきなりか!
私はそのままの驚いた顔で一樹を見上げた。
自分のことじゃないのに、なんだかこっちまでドキドキしてしまう。
「うん、いいよ」
爽やかに応える一樹。
い…いいんかいっ! やけにあっさりじゃん。
何事もなかったように下足箱前で靴を履き替える一樹。
どうせ一樹は、あんな告白にも慣れてんだよね。
「ねぇ一樹。あんた一体いま何人彼女いんの?」
一樹のことだから、きっと一人ではないんだろうけどさ。
「あ? …あぁ、今ので4人」
普通に答えるし(汗)
4人て絶対おかしいんだからっ!
私がじっと一樹の顔を見ていると
「……何? 5人目希望?」
ドカッ!
「っ……!
女が回し蹴りなんてすんな!」
一樹は脇腹を押さえて私を睨んだ。
やっぱり一樹はバカズキだ!