キャンディ☆キス
なんで覚えてんだろ(汗)
しかも私だけ行かなかったことまで知ってるし。
何やら一人納得した様子で頷いている一樹は、シャツに腕を通しながらまた私に近づいてくる。
「女の子はみんな並んでたのに亜希だけ来なかったからさ。きっとイチゴ味が嫌いなんだろうなぁとか子供心に思ってたりしたけど。
オレの三角イチゴを盗み食いしたってことはイチゴ味が嫌いなわけじゃない……ってことで」
上からまじまじと、腕組みなんかしながら私の様子を伺って。
胸元に見える適度な筋肉のすじがやけにチラつくから、私は恥ずかしくなって思わず顔を下に向けた。
「ちょ…っと、
あんまり近くで見ないでよっ(汗」
「そんなにオレがイヤか」
「はぁ?」
澄ました顔で聞いてくる一樹。
反対に、信じられないくらい動揺している私。
「な、何言ってんの」
そんなこと聞かれたって、はっきり答えられるわけないじゃん!
だって私は…幼稚園の頃からずっと一樹のことが……。
視線を定めることもできないまま私がオロオロしていると、
「なるほどね。そういえば亜希はオレに痛い仕打ちばかりするもんなぁ。別にいいけどさ」
え…ちょっと。
なんか違う方に勘違いしてない?
ふてくされたように一樹が背を向けるから、私はなんだか切なくなって。
「そんなんじゃないって!」
ベッドから慌てて立ち上がると、思わず目の前にある一樹の後ろシャツを掴んでしまった。