キミに届けて
春。4月。
私こと、如月結実(きさらぎゆみ)、頑張って勉強し、やっとの思いで受かった城華(しょうか)中学校に入学することができた。
「今日から中学生。どんな生活が待ってるんだろうな……。」
期待に胸を膨らませ、校門をくぐった。
人見知りもなく、誰にでも話しかけられる私には、すぐに友達ができた。
「ねぇねぇ!学校探険に行こうよ!!」
隣で笑顔で話しかけてくるのは、一番仲良くなった友達の神田あゆか。
いつも笑顔を振りまいていてみんなの人気者である。
黒髪のショートヘアに、赤ぶちメガネがよく似合う女の子。
そんなあゆかとは、まだ入学する前に話したことがきっかけだった。