キミに届けて
始まりは、まだ残暑の残る、 8月。
私はというと、初めてくる城華中学校に圧倒されていた。
公立中学校とは違う、綺麗な校舎。
設備の整った理科室や家庭科室。
カッコいい、たくさんの先輩たち。
全てが、輝いていた。
この日は入試説明会で、たくさんの6年生が集まっていた。
この中の誰かが、同じ学年で、同じクラスで、一緒に学ぶことになるんだ!
私は、まだ受かってもいないのにそんなことばかり想像していた。
私立中学校なので、色んな地域から人が集まってくる。
隣の市から。
はたまた隣の県から。
言ってみれば、塾のような場所。
そんな所で、私は勉強したいと願っていた。