永遠の恋
そしてまた、降りない駅で降りてしまった。

でも今日はそんなことより有紗だった。

「―・・・おい!おい!」

呼んでも気づかない。

「―・・・有紗!!!!」

俺は初めて名前を呼んだ。

有紗が気づき振り向く。

そして俺を見た瞬間、嫌な顔をした。

「なんだよ。ナンパ男。」

「だから!俺はナンパ男じゃなくて、“慎”っていう名前があるんだって!」

「お前なんか、ナンパ男で十分だ。」

そう言ってこの前と同じように立ち去る。

そして振り返り、

「あと、気安く名前で呼ぶな。」

と言って歩き出す。

俺は追いかけた。

「待ってくれ!!!」

そう言ってまた、腕を引っ張る。
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