永遠の恋
俺は有紗の腕を掴む。

「離せ!慎!」

有紗は懸命に腕を振る。

「離さない」

俺が真剣に言うと、有紗はおとなしくなった。

有紗の顔があの時のように悲しい顔になる。

俺は胸が痛くなった。

好きな人にこんな顔をさせてしまった・・・。

「有紗・・・。なんでそんな悲しい顔するんだよ・・・」

俺がそう言うと、有紗はポロポロと涙を流した。

「だって、慎があたしの手をはらって・・・あたしなんでか、すごい悲しくて・・・。慎と会わなかった一週間、考えた。なんで悲しかったのか・・・」

俺は有紗の腕を掴む手をもっと強く握った。

「あたし・・・慎が好きなんだって・・・気づいて・・・。でもあたしメールとか無視しちゃったし・・・絶対、慎に嫌われたって思ったら会いづらくなっちゃって・・・」

有紗は泣きながら話す。
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