BLACK or WHITE
「だから、早々に辞めてしまえと…」
「いえ、そういう訳じゃなくてね」
自嘲気味にそう言う彼に、私は慌てて続ける。
「私はむしろ、黒田君に辞めてほしくないの。このまま行くと、辞めてしまいそうだから、今から、変わってほしいの」
「変わる…?」
「この仕事にやりがいを見出だせるような理由を見つけてほしい」
「理由ですか?」
「そう、何でもいいわ。やる気が出るような理由、思いつかない?」
彼に聞くと、うーんと声を上げ、悩みだした。