BLACK or WHITE

 ◇ ◆ ◇



「すみません、コーヒーは自分で淹れて下さい」


凛とした声に、顔を上げると、「えっ」と声を上げた俺の同期と、彼をただ静かに見つめる彼女がいた。


「あ、いや、その…」


狼狽したまま言葉を続けようとした、同期の彼だが、彼女の方は、スッと自分のPCに視線を移す。


それで、そのやり取りは打ち切られ、彼は困惑したような、釈然としないような顔をして、自分のコーヒーを淹れに行った。




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