BLACK or WHITE
――数十分後。
彼女の家に着き、インターホンを押す。
数秒して、彼女がドアから顔を覗かせた。
「…ごめん、博樹」
「どうした?…顔色が良くないけど」
弱々しく謝る彼女の顔は白くなっている。
とにかく、中に入ろうと、肩を抱き寄せて、体を支える。
同時に、甘い香りを感じた。
「ん?これ、チョコレートの匂い?」
「うん、今日、バレンタインだから、手作りで作ろうと思ったんだけど…」