BLACK or WHITE


「あぁ、うん。でも…」


そう言いかけて、顔を上げた彼女の目が見開かれたのは、思っていたより、俺との距離が近づいていたから。


「ありがとう」


その言葉とともに、口づけを落とす。

彼女はされるがままになっていた。


そのキスの合間。



「―――おいしいかどうかは、ちょっと責任持てないよ?私、味見してないし」

「…だろうね」


ついつい吹き出すと、綾香の眉間にしわがよる。

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