BLACK or WHITE


「うーん?…綾香はさ、この箱に覚えがない?」

「箱…?」


博樹に言われて、改めて箱をじっと見つめた。

日本製ではなさそうな、おしゃれな箱に、記憶はない。

そう言いかけて、あっと声を上げる。


「あの、いつだっかの、ベリーのチョコレート…」

「そう、俺達のファーストキスのチョコレートね」

「あれは…!そっちが勝手に奪ったんでしょ!」


その時のキスの味が甦って、かっと頬が熱くなった。

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