BLACK or WHITE


「ね、開けてみて」

「……食べたら、またキスするの?」

「え、ダメなの?」


なんて会話をしながら、私は箱を開けた。


「え…?」


箱の中には、完全に予想外のものが、入っていた。


「…いくらなんでも、チョコレートの顔は、もう見たくないでしょ?」


穏やかに微笑む彼の顔を見て、再び中身を見る。

箱の中身は、あのチョコレートではなく、銀色に輝く──。


「そんな…」


私はそれだけをようやく言って、絶句した。

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