ひまわりの涙
そんな私に司は笑いながら頭をなでてきた。

「髪、切ったんだな…長いのも良かったけど短いのもスゴく似合うよ」

囁くような声にユックリと顔をあげると真面目な顔の司がみつめていた。

「取りあえず入ろう」

そっと背中を押され、その時初めて待ち合わせの場所に居ることに気が付いた。

お店の中は落ち着いたアンティーク彫の内装で、静かにクラシックがかかっていた。

けして広くはないお店には女性客がほとんどで、全員が司を見ている。

本人は気にも止めていないのか、私の腰に手を添えてエスコートしてくれている。

みんなの視線が痛い…

なるべく周りを見ないように、案内されるまま進むしかなかった。

「こちらへどうぞ、天田様」

そう言って店員であろう男性がイスを引いてくれた。

「ありがとうございます」

一言お礼を言って座った。

目の前には司が座っている。

緊張してめまいが置きそうだった。

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